街を家の延長と考える生き方『ひきこもらない』感想

ニートってどんな生活をしているんだろう?

ずっと家にいるのか、パソコンをしているのかテレビを見ているのか?

様々な理由で外出できないこともあるでしょう

しかしそうじゃない、ひきこもらないという生き方

そんな生き方をする「pha」という人の生き方を綴る本書

 

ひきこもらない (幻冬舎単行本)

 

ひきこもらない

著者:pha   (幻冬舎 2017/6)

 

読了までの時間:約3時間

 --------------------------------------------------------------

 

 

「pha」というプロニート

私がまだ学生だった頃、4~5年前になるでしょうか

 当時すでに話題となり始めていた本書の著者「pha」

その時には京大出身のニートみたいな肩書だったと思います。

そんなphaさんが話題となったのは、ギークハウスというシェアハウスプロジャクトの発起人としてでした。

 

それに関しては本題とはズレますが、簡単に触れると、なんとなく1人暮らしが嫌、お金がないなど様々な理由でシェアハウスをする人たち専用のシェアハウスが各地にでき始めていた、と思ってください。

 

その発起人であるphaさんが書いた、ある種自伝のような

ある種生活録のような、日記のような本書

 

 

「街」を「家」として使うという考え方

 

本書の第一章より引用します。

シャアハウスをやっている理由は、一人暮らしは無駄が多いと思うからだ。

(中略)

家の近くにはコンビニもスーパーもあるも飲食店も戦闘もあるし、繁華街である上野にも歩いて10ちょっとで行ける。

家が狭くて落ち着けなかったとしても、街を家の延長として使えばいいんじゃないか、と思ったのだ。

 これは私も経験があるのですが、家で作業しようとしてもなんとなく落ち着かない。本を読もうとしたら近所で工事が始まってうるさいなど。

 そんな時にノートパソコンを持って近所のカフェに行ったり、図書館に行ったり。

 

さらに私の今の家は繁華街から離れているので、休日には金曜日の夜にカバン1つ持って出かけて、毎日違うところに泊まりながら日曜の夜に帰ってくる、という生活をしています。

 

それに関してもいつか違うブログにでもかければと思っていますが、その生活をしている上でいつも

これで仕事さえ自由に場所から切り離せれば、家が要らないしどこでも生活できるな 極論旅をしながらでも」と思っています。

 

phaさんが本書で頻繁に述べている、なんとなく今の場所から離れようとする感覚。本書では「旅と定住の間」と呼んでいるそんな生活は、家を買って、結婚して、定年まで仕事して、という昔の当たり前と比べる場所にも家にも縛られず、非常に現代にあっているように感じます。

 

どこに行っても同じようなもので同じような場所で、同じような生活をできる。だからこそ定住から離れていく これこそが現代の新しい生き方ではないかと本書を読むと感じます。

 

 

本書から学べること

この本は最初に述べたように著者の自伝のような、日記のような一冊

つまりこの本から特別な何かを学べるわけではないと思います。

ではこの本で学べる事とは、「こういう生き方もあるんだ」ということ。

もちろん著者自身も38歳でまだ生き方を模索している最中ではあると思いますが、少なくともあらゆる人が押してくる「就職しろ」「結婚した方がいい」「定住すべき」といった固定観念を破壊してくれるはずです。

 

観光地でもコンビニがある

東京も大阪も北海道でも九州でも同じチェーン店があり、同じメニューを売っている。

そんなどこでも変わらないという現代さは、よく批判の対象になりますが、逆にそれを利用し、生きる一つの形を教えてくれる一冊だと思います。

 

あなたもこの本を読んで、今週末にでもフラッと電車に乗って知らない街の知らない駅で降りてみませんか?

 

 

ひきこもらない (幻冬舎単行本)

ひきこもらない (幻冬舎単行本)