男と女はなぜすれ違う?『男と女のアドラー心理学』感想

男だから、女だから

そうな風に思ったり言われたりしたことはありませんか?

 

モノの考え方が違う?

モノの感じ方が違う?

その疑問に対する答えを教えてくれるのが本書

 

男と女のアドラー心理学

 

『男と女のアドラー心理学

著者:岩井俊憲 (青春出版社 2017/9)

 読了までの時間:約1時間半

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人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである

アドラー心理学に関する本は以前も感想を書きました。

readking.hatenablog.com

今回の本は特に男女関係において10の事例を挙げて、5つの極意に繋げる一冊となっています。

よく聞く男性脳」「女性脳」という脳科学的な見方から、心理学では思考・感情・行動から男女の違いを捉えていきます。

その根拠づけとして脳科学の領域にも踏み込んでいきます。

 

そもそも前提として「男」と「女」は多くの点で異なります。

それについて本書では以下のように述べています。

男と女は、別の生き物、別の人間だからこそ、また面白みもあるのだと思います。

 脳の構造からして違う、つまりあらゆるものに対する考え方も感じ方も異なる。

だから日本人が良くいってしまう「言わなくても察して欲しい」は欧米人には通じませんし、その事に怒るのもまたナンセンスなのです。

 

根本的に推察することはできても「考えてること」は言わないとわかりません

これは男女に限らず全ての人に対してですが、歩み寄り・コミュニケーションをとることが男女関係では本質的に重要だとしています。

 

ライフスタイルは変えられる?

本書で言う「ライフスタイル」は心理学的な「自己概念」「世界像」「自己理想」に基づいています。

つまり「自分はなんなのか?」どうとらえているのか?

「自分の周りはどうなのか?」世界をどう考えているかということです。

ここまでが現状に関する考え方になります。

 

そして「自己理想」

つまり、どうありたいか?世界が自分に対してどうあって欲しいかについてです。

 

本書では特に「自分は〇〇である」という自己概念は変えることができる、としています。

そのカギは「過去」よりも「未来」を見つめること

心理学的な原因論」「過去志向」と呼ばれる「昔こうだったから自分はこうなのだ」と言う考え方を根本的に変えること。

 

そのためには当事者意識を持ち、「どうしたいか?」「どうなりたいか?」から来る「目的論」を提唱しています。

それを変えることで自分、ひいてはライフスタイルや人間関係を変えるきっかけとなるのです。

 

本書ではその考え方の基本となる視覚優位型・聴覚優位型・触覚運動優位型という物事の感じ方に触れ、個人差がある事に触れています。

特に性別ごとにどれが多い、という傾向があり、それが女性観や男性観につながっているとしています。

それぞれについてはぜひ本書をよんでいただきたいと思います。

 

まとめ

本書では男女関係の実例を踏まえて、その考え方や感じ方の差を論理的に解説し、そこから発展して人間関係そのものの本質的なことを述べています。

 

私がこの本で感じた人間関係の本質

それは「相手を思いやること」

「男だから」「女だから」と決めつけずに、相手に譲歩することが人間関係を円滑にするのだと感じました。

 

男だから女だから、自分は昔からこうだからと思い込んでしまっている。

そんな人にオススメの一冊です。

男と女のアドラー心理学

男と女のアドラー心理学