「新設 狼と香辛料 狼と羊皮紙Ⅰ~Ⅲ」
著者:支倉凍砂/イラスト:文倉十 (電撃文庫 2016/9、2017/3、2017/9)
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前作を読んでなくとも楽しめる続編
当ブログ初の小説
それもライトノベルの書評となります
さて、私も昔から自己啓発やハードカバーばかり読んでいる意識の高い学生だったかというと、そんなわけはなく。
昔は小説、それもファンタジーが大好きでした。
指輪物語、ハリーポッター、様々な小説を読みましたが当時、ちょうどテレビで「オタク」という言葉が使われ始め、図書館にライトノベルが入り始める、そんな時期でした。
そこで出会ったのが本書の前作である「狼と香辛料」
商人のロレンスと賢狼ホロの故郷を目指す旅の物語
剣と魔法のファンタジーもいいですが、どこか中世チックで交渉と頭脳で世界を渡り歩く本書は、私が今も投資や旅行が好きな原点なのかもしれません。
そんな狼と香辛料が事実上完結したのが2011年
それから6年たって前作、狼と香辛料の新刊とともに発売されたのが本書「狼と羊皮紙」になります。
続編ということで主人公の二人コロとミュールは前作の主人こう
ロレンスとホロの関係者、というかミュールは娘です。
もちろん前作を読んでいるほうが楽しめます。
しかし、本作はそれ単体でも完結している作品のため二十数冊に及ぶ前作を読むのが大変という方にも本作から安心して楽しめると思います。
私でも「前作が20冊以上」となると尻込みしてしまいますからね
良い本、面白い話は今すぐ楽しみたいので
雰囲気のいい世界観と魅力的な登場人物
内容については前作を知っている人も知らない人も楽しめると書きましたが、中心となる登場人物で前作と関わりのある人も少なく、出てきたとしても登場の度にテンポを悪くしない程度に説明が添えられています。
またなんといっても主人公とミュールのやり取りがいい
おもしろいとかではなく、お互いに理解しあった幼馴染といった感じでふんわりと癒されます。なんで私には幼馴染が
お話の本流としては前作までの商会関係の経済から、裏で見え隠れしていた教会が中心となります。
現代でいう16世紀のキリスト教宗教改革のような感じでしょうか
それに関連して教会関連の登場人物が中心ですが、
いつも通り、何気ないやり取りから腹の探り合いまで、シリアスとコミカルを織り交ぜながら進んでいきます。
まだまだ始まったばかりですが、またあの中世の雰囲気でのゆったりした時間を必死に生きる人々を見れる(読める?)と思うと楽しみでなりません。
三冊目が出たばかりということで、長さも読みやすく
下火になったとは言え、たまにはライトノベルもいいものです。
まだ短いうちにぜひ読み始めて欲しい一冊です。