なんだかメディアに違和感を感じたことはありませんか?
そんなことよりもっと必要なことがあるのではないか?
論点はそこなのか?正反対の意見は無いのか?
本書は一時間ちょっとでサクっと読める内容ながら、随所に薄気味悪さと思わずグサっとくる表現にあふれています。
この本を読めば少しテレビを見る目が変わるかもしれません
そんな今の世の中の薄気味悪さを醸し出すファンタジーが本書
ナパージュと言う国
『カエルの楽園』
読了までの時間:約1時間半
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本書は架空の物語で実在の人物や団体との関わりは、否定されております。
ナパージュと言う国
本書の主人公は、ダルマガエルに故郷を追われたアマガエル「ソクラテス」
ソクラテスと共に生き延びた「ロベルト」
そんな二人がたどり着いた平和なツチガエルの国「ナパージュ」が本作の舞台
ナパージュは岸壁の頂上にあり、長い間平和を守っていました。
物語はそのナパージュの平和の秘密であるとされる「三戒」を中心に展開します。
三戒とは…
・カエルを信じろ
・カエル争うな
・争うための力を持つな
という三つの決まり
その三戒にロベルトは心酔しますが、ソクラテスは疑い続けます。
そして「本当に三戒のおかげで平和なのか?」を調べていくうちに、ナパージュの核心に触れていく、といったストーリー
三戒に対する疑念
読み進めていくと、なんとなく三戒に違和感を覚えていきます。
みんなが口をそろえて「三戒」の素晴らしさを説くも、その根拠も歴史的背景も知らないと言うのです。
ですが素晴らしいものだと。
さらにナパージュ1のもの知りとされる「デイブレイク」
毎日、住民を集めてその日の天気や出来事を周知していますが、その中で必ず「ナパージュはひどい国」だと言います。またそれに合わせて「謝りソング」
しかし、それが何に謝っているのかも誰も知りません。
ソクラテスはその点に疑念を持ち、色々な人に聞きながら「三戒」について調べていきます。
その中で、「スチームボート」と言う実はナパージュを守っていると言われるワシに話を聞きます。実は「三戒」を作ったのはスチームボートで、その教えを受けて勝手にカエルたちが作り上げたのが謝りソングだったのです。
ウシガエルの侵略
ソクラテスが三戒の真実に気づいたものの、住民たちは相変わらず三戒を素晴らしいものだと言い続けています。
そんな時に断崖を登ってウシガエルがナパージュに現れます。
その出来事をきっかけにナパージュのおかしさ、薄気味悪さが顕在化します。
ウシガエルは明らかに侵略を目的としているのに、「話し合おう」「三戒があるから大丈夫」と放置していきます。
そしてどんどん侵略されていくのです。
そのあたりのゴタゴタはぜひ読んでいただきたい顛末となっています。
まとめ
この話、読んでいると現実のとある出来事と重なる点が多くあります。
明言はされていませんが、本書は日本の風刺となっていると思われます。
舞台となる「ナパージュ」のローマ字「NAPAJ」はさかさまにすると「JAPAN」
これは偶然なのか?そこま読んだ方の判断におまかせします。
冒頭で述べたように、本書を読めばデイブレイク、つまり新聞やテレビなどのメディアに対する見方が少し変わるかも知れません。
本書はテレビを見ていて違和感を感じた方
普通のファンタジーとしても楽しめる、風刺物語となっています。