精神的な疲れを感じない人はいませんよね?
同じストレスでも耐えられない人、平気な人、人それぞれですよね。
そしてそれはメンタルの専門家である精神科医も例外ではないようです。
著者:宮島賢也 (KAWADE夢新書 2010/7)
読了までの時間:約2時間半
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鬱になった鬱の専門家
本書は少し前に話題になった「うつヌケ」の著者田中圭一さんの紹介という形で、増刷されて書店に並んでいたようですね。
そんな本書は、まずうつ病が年々増加している点に触れています。
2008年の鬱などの「気分障害」の患者数は101.4万人 自殺者数は3万人を超えています。今から7年ほど前のデータですが、なんと現在はさらに増えているのです。
そんな現代の中で日々の激務から「うつ病」になった。
そしてそのために専門を精神科に変えたのが本書の主人公である、宮島賢也さんは本書でこう述べています。
じっさいの体験を知っていただくことで、鬱への理解が深まると考えます。
また、そうすることで読者の皆さんとの距離が縮まり、僕がこれから本で話そうとすることを、よりご理解いただけるのではないかと思います。
その言葉の通り、ここから著者の経歴、大学から研修、結婚と診療科の選択から激務、うつ病の診断、抗うつ剤を飲み始めるといった経験が語られています。
そして心の不安定さから来る周囲との軋轢、結婚相手からの冷たい言葉とがあり、身も心もボロボロになる。この辺りの経験が、本書を書くきっかけになったのかも知れません。
成功の9ステップ
そんな著者が「精神科の治療は間違っている」と確信を持つきっかけとなったのがジェームス・スキナーの『成功の9ステップ』
この本はいわゆる「成功哲学」のような本ですが、そこで述べられている先攻の9ステップが人生を変えるきっかけとなるのですが、その中で宮島賢也さんは第二のステップ「無限健康を手に入れる」、が特に大きな影響を与えたと述べています。
そこで「病気を予防する」という観点から「健康」なることに主眼をおいた様々な方法を紹介しています。
このあたりは日常生活の中で少し取り入れるだけで、私もなんとなく実感しています。
「朝起きやすくなった」「落ち込んでも立ち直れるようになった」と感じています。
まとめ
そこから本書は医者の本質、治療ではなく実は対処療法が多いこと健康とは何か
といったことから、メンタルの作り方、体のサイクル、人間関係の受け流し方など
薬ではない鬱に対する治療法の紹介しています。
その中には少しスピリチュアルというか怪しげな方法論も紹介されていますが、それも「精神を健康に保つ」ためにはある種の方法として、あるのかなと思います。
なんとなく生活に疲れてしまった方、うつを治したい方、健康になりたい方、うつではないが、人生を最も豊かにする秘訣である「健康」に少しでも興味のある方にお勧めの一冊です。
自分の「うつ」を治した精神科医の方法 (KAWADE夢新書)
- 作者: 宮島賢也
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/07/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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