「理想のヒモ生活9」
著者:渡辺 恒彦 イラスト:文倉十 (ヒーロー文庫 2017/5 1巻は2012/5)
最近流行りのなろう出身の異世界モノ
いわゆる「なろう」と呼ばれる「小説家になろう」というweb出身の本書
原作(?)の方はここ3ヶ月ほど更新無しですが、小説が続いているという事はWEBから完全に商業に移行したのでしょうか?
さて、本作は以前紹介した「狼と羊皮紙」と同じ文倉十という方がイラストを描いています。
しかしイラストつながりで目に入ったわけではなく、元々「なろう」の方で好きだった作品が、文庫化する際に偶然同じイラストレーターの方がついた、という形です
この方の書くイラストは女の子が丸っこい感じで大好きです。優しい感じがしますね。
さて、本作はいわゆる異世界モノであり、なろうの方で小説で言う4巻くらいまでの内容をざっくり読むことできます。
ちなみに正確に比較したわけではないですが、文庫化するにあたってかなり内容が足されており、小説を買う理由がなくなっているわけではないです。
この作品では、異世界に召喚された主人公、山井善治郎が色々あってヒモとして王族と結婚、王族の仲間入りを果たしてめでたくヒモとしてデビュー
ではなく政治的なアレコレに巻き込まれる。そんなストーリー
もはや政治的な駆け引きがメイン
フレア姫が可愛い
文庫版の5巻辺りから登場するフレア姫がとても可愛かったりするのですが、この作品のメインはヒモと見せかけた政治的なアレコレ
そもそもメインヒロインのアウラが女王で、大戦の直後で後継ぎがいない
でも国自体は大国である、という設定からそうなるのも必然
なんとか妾になって王族の仲間入りを果たそうと、世継ぎのいないことを大義名分も掲げてあの手この手の色仕掛け
めでたく主人公のおかげで妊娠したかと思ったらそれが原因で、他の大国との交渉に行くことになったり
で、そこでまた色仕掛けされたり
正直、ヒモと呼べるのは1巻のかなり序盤のみになっていますので、ハーレム的なムフフを期待しているとかなり外してしまいます。
そんな9巻の内容は・・・?
さて、この作品も気づけば文庫化して5年近く過ぎています。
そして先日発売されたこの9巻もまた、政治的なアレコレのお話 フレア姫は?
シャロワ・ジルベール王国(さっき書いた大国のこと)でのお家騒動に巻き込まれるのがお話の本筋。
さらにいつも通り色仕掛けされたり、子供の事とか血統魔法の事とかが絡んでややこしく…といった感じ
タイトルのインパクトに似合わない中々筋の通った話で、ライトノベルによくある凝り固まったシリアスな描写もなく、読みやすくオススメしやすい一冊です。
なんとなく最近ダレきたかなーという感じがしなくもないですが、
数少ない今も購読しているライトノベルだけに、フレア姫の再登場が待ち遠しいここを乗り越えれば、まだまだ復活するのではないかと思っています。
ライトノベルでは中堅と言える9巻続いている本作ですが、ここからが楽しみな作品です。
どうでもいいですが縦書きだと「文倉+渡辺恒彦」に見えなくもない